写真という趣味は、個人的にとても面倒な趣味だなと感じてしまう時がある。写真を撮っている時間のうち、自分の好みの写真が撮れた時は、達成感が感じられて嬉しいのだけど、ほとんどの時間は何をどのように撮ろうかと悩みながら歩いていることが多いので、そこまで楽しいとは簡単には言えない時間が大半を占めている。
その上、仕事が忙しくて、しばらくカメラで写真を撮っていなかったりすると、わざわざカメラを持って写真を撮りに行くのが恐ろしく面倒だなと思ってしまう。
なので、先日は、カメラを持って外に出掛けることに対しての気持ちのハードルをなんとか下げることが出来ないものかと思い、カメラではないが軽くて楽に撮れるiPhoneで撮影に行ったら少しは気分転換になるだろうかと考えた。普通のカメラを持ち出すのはカメラが重くて辛い。また、街中でカメラを首から下げるのも、久しぶりだと恥ずかしかったりする。
最近のスマホのカメラの性能は優秀なので、正直、昼間のスナップの場合、スマホのカメラで十分だと思うこともある。センサーが小さいために被写界深度深度も深いので、その点もスナップ向きかもしれない。流石に夜間だと、高感度におけるセンサーサイズやオートフォーカスの弱点が出てくるけど、昼間なら普通にカメラとして使える。
話の本筋から外れるけど、こんな事を考えてまで無理にでも写真を撮りに出掛けようとする理由のひとつが、上記のような気持ちの時には、写真を撮りに行く代わりにカメラを買って無駄遣いをするということが経験上、多いので、それを避けたいという気持ちもある。
しかし、カメラをスマホに持ち替えただけだと、まだ面倒だなと思う自分がいる。何を撮るかなどを家から出た後に路上で考えることが億劫なのだ。その億劫さを思うと出掛けたくない。ここまで写真を撮るのが面倒だと思うのなら、写真の趣味など止めてしまえば良いのだが、そこまでには至っていないので現状、自分ではどうしようもない。
なので、何を撮れば良いのかを考えたくない自分のために、撮るものを路上で深く考えないでよいように家を出る前に、あらかじめ、何を撮るかを決めてみることにした。
例えば、以下のようなものを撮ると決めてみた。印象的な光、印象的な影、同じ色の連なり、同じ形の連続、何かの影、電柱の足元、光の差し込み、看板、マネキン、花、猫、鳥、標識、車、自転車、ショーウィンドウなどのガラスへの映り込み、あるいは、とにかく気になったものなど何でもいいので、これらの例の中から撮るものを幾つか決めてみた。
カメラはスマホに持ち替える。そして、決めたものだけを撮るという風に思い切って割り切ると、億劫ではあっても外に出掛けるという気持ちにはなれた。こうなってくると、成果を求めての撮影というよりは何かのリバビリに近い感じになってくる。しかし自分の場合は、これぐらいハードルを下げてあげないと面倒くさくて外に出掛けないので、これらの工夫をしてみた。
こんな感じでハードルを下げて、スマホ片手に出掛けてみると、最初は面倒だなと思っていた気持ちがだんだん薄れていき、楽しい時間を過ごせた。
この日は、そんなに面白い写真は撮れなかったけど、また写真を撮りに行こうと思えるような気分転換のきっかけとはなったから良かったと思っている。下の写真は以前、iPhone8 plusで撮ったもので、後ろの壁の絵の男女に手前にあったキッチンカーのパラソルを重ねて撮ってみた。なんとなくだけど、面白い写真だと思っている。
楽しい筈の趣味においても、私のような面倒くさがりの人間には、時には、『持ち物は最低限』、『何も考えない』というが大事なことなんだなと思った。
また、今度、同じような気持ちの時は、家を出る前に撮るものを決めて、スマホを片手に出掛けてみようと思う。ここまでやっても外に出かけたくない時は、大人しく家で休むか、あるいは、新しいカメラを買って気分転換するしかないのかもしれない。
そういえば、以前、写真を撮りに行くのが面倒だなと思った時は、とにかく200回シャッターを押したら家に帰っても良いというようなルールにしていたことを思い出した。だけど、これはこれで思ったより辛かった。ただ押すと言っても、何を撮るかを200回考えるのは結構辛かった。やっぱり撮るものも家を出る前に決めておいた方が良いと思った1日だった。