一年半以上、x-pro2を愛着を持って使ってきた。先日、x-pro3も買ったのだけど、新型のx-pro3よりもx-pro2の方が使いやすいと思う点も結構あるなと思っている。x-pro2に比べて改善されている点も多いけど、今のところ、背面液晶がないのはやっぱり不便だなと思うことが多く未だに慣れない。(x-pro3についは、もう少し使い込んでから、感想を書きたいと思っている)
x-pro2を購入した当時は、レンジファインダー風の目立ちにくいデザイン、控えめなシャッター音、シンプルな操作性、OVF及びEVF双方が使えるファインダー、高感度耐性などを気に入っている点として以前の投稿で書き、一年半使った今もこれらの点はとても気に入っているが、今は、それ以上に強く感じていることがある。
それは、富士フィルムが構築しているカメラシステムのバランスの良さだ。フルサイズに手を出さずに、APS-Cと中判サイズに注力している戦略は他社とのポジショニングを考えた場合にユニークだと思う。
『画質とカメラ及びレンズの大きさのバランスが良い』
x-pro2のセンサーは、フルサイズではなくAPS-Cなのだけど、そのぐらいのサイズがスナップ撮影には、ちょうど良いなと思っている。最近のフルサイズのカメラはコンパクトなものもあるのだけど、レンズはやっぱり大きいので、システムとしては大きく重くなってしまう。x-pro2の画質に対して全く不満はないし、高感度耐性にも優れている。もちろん、画質だけを考えるとフルサイズの方が有利なのだろうと思うけど、大きさと画質のバランスを考えると、x-pro2がちょうど良いと思う。
他にも富士フィルムのカメラシステムについて、バランス良いなと思うことがある。それは、防塵防滴でコンパクトなXF35mmF2R WR、XF23mmF2R WRというレンズの存在がそのバランスの良さに貢献していると思う。
すべての方に共通する課題ではないのだけど、私はちょっと神経質なので、雨の日の撮影では、防塵防滴ではないレンズは使いたくない。カメラ屋さんの店員の方が、防塵防滴でないレンズでも、ちょっとぐらいの雨であればそこまで心配することはないですよと言ってくれるのだけど、やっぱり気になって使えない。しかし、雨の日に撮影するのは大好きなので、XF35mmF2R WR、XF23mmF2R WRといった防塵防滴レンズの存在はとても有難い。これらのレンズは、価格もリーズナブルであり、そのコンパクトさを考えると画質も良く、とてもちょうど良い落とし所に存在していると思う。
他のメーカーでも、防塵防滴のレンズは用意されているのだけど、それらは大抵、画質やF値も高次元で追求されている上位機種としてラインナップされていることが多く、値段も高くて大きく重い。それらに較べると、XF35mmF2R WR、XF23mmF2R WRなどは、買いやすさ、使い易さにおいて丁度良い感じなのだ。そして、もし、画質を追求したければ、F値も明るい高性能のレンズも用意されている。
そんなこんなで、x-pro2を含めて富士フィルムのカメラが使い易くて好きだ。この一年半、x-pro2を使ってきて、x-pro2を含む富士フィルムのカメラについて、そのような印象を強く持つようになった。
以下については、前回のx-pro2の感想で書いた内容と重なるけど、富士フィルムとx-pro2について好きな点を改めて書いておく。
『富士フィルムのカメラやレンズは、その操作作法が理解しやすい』
全てのレンズではないが、多くの富士フィルムのレンズでは絞りを物理的にコントロールできる。そして、x-pro2においても、F値、シャッタースピードが物理ダイヤルによって一目で認識出来る造りになっている。このような設計は、カメラとレンズの設計として、とても使いやすいものだと思うのだけど、今のデジタルカメラの中では、このような設計は、ライカを除くと私の知る限り富士フィルムだけの設計のように思える。他のカメラだと使う前に、そのカメラ(メーカー)独特の操作体系を理解する必要があるのだけど、富士のカメラの操作においては迷う箇所が少なく、とても使いやすい。この自分の感覚は一般的にはどうなのだろう。ライカや富士フィルムの設計が昔からの普遍的な操作性方法などと言う権利は私にはないし、大袈裟かもしれない。新しい操作方法を覚えられず、単純に昔からのクラシックな操作方法から離れられない自分だけの主観なのかもしれない。
『なんだかんだ言っても結局、デザインなのかなと思う』
ここまで色々と書いたけど、結局、x-pro2で最も気に入っているのは、質感を含めたそのデザインなのかもと思う。そもそもレンジファインダー型のデザインが好きなのだ。本題から逸れるけど、オリンパスのPEN-Fもレンジファインダー型のデザインなので買った(防塵防滴ではないので売ってしまった)。レフ機のようなデザインは苦手だ。完全に個人の趣味なので、その理由は、お伝えしにくいが、X-T3よりもx-pro2のデザインのほうが断然好きだ。単純に格好いいと思う。スナップ撮影は、やっぱりレンジファインダー型だろうという思い込みかもしれない。街中をレフ機のデザインのカメラを持ち歩く事に抵抗があるのかもしれない。ISOダイヤルとSSダイヤルが独立しているX-T3のほうがx-pro2よりは、多少は操作しやすいだろうと思うが、それでもx-pro2のほうが好きだ。x-pro2の渋くて、うっすら黒光りする塗装なんかを見ていると良い物だなと思う。他のカメラだと、あまりそんな感覚を持てるものは少ない。所詮、道具なのだから機能が最も大事なのかもしれないが、一方、アマチュアの趣味だからこそ、機能だけではなく質感の優先順位を高くすることも許されると思ったりする。
『カメラを一台だけ選ぶとすればx-pro2かなと思う』
私は複数のカメラを持っていて、その時の気分で使い分けているが、もし1台のカメラだけを残して、それ以外のカメラを売らざるをえない場合、x-pro2を残すことになると思う。x-pro2は格好良いし使いやすい。しつこいけど、画質、デザイン、機能、重さ、大きさなどにおいて本当に丁度良い感じなのだ。そして、他の方はあまり気にならない課題かもしれないけど、自分にとって、実用上、重要な理由としては、ボディ及びレンズ双方がコンパクトなサイズで防塵防滴を担保している点だ。一台だけ選んだカメラが雨の日に使えないことは自分は許容できない。x-pro2とXF35mmF2R WRあるいは、XF23mmF2R WRさえあれば、自分の使い方の場合、致命的に困ることはない。晴れの日、雨の日、雪の日、夜間、これ一台だけあれば困ることがないという存在は貴重だと思う。
『感想まとめ』
カメラのサイズ、画質、価格、用意されたレンズ群、防塵防滴性能、デザイン、シンプルな操作性など自分の好みを踏まえて考えると、とてもバランスの取れたラインナップが用意されているのが富士フィルムだと思った。x-pro2のような防塵防滴のボディ、XF35mmF2R WR、XF23mmF2R WRのような防塵防滴、リーズナブル、そして、コンパクトなレンズをシステムとして提供しているメーカーは他には、あまりないのではないかと思っている。
富士フィルムのカメラ以外に、ライカ、gr3、シグマのカメラなどを現状、使っている。これらを売って、富士フィルムのカメラだけの運用に変更しようかと思ったりもするが、そんなことをしたら、また売ったカメラを買い戻すという、これまで同様の悪循環に陥りそうな気もする。x-pro2は少なくとも、他のカメラを売ってもいいのではないかという誘惑に駆られるぐらいの良いカメラだと思っている。
それと、これは、今回のテーマにあまり関係なく、しかも要望なのだけど、せっかくレンジファインダー風のデザインのカメラを作っているのであれば、ライカM型のようなレンジファインダーのデジタルカメラを作って欲しい。もし、富士フィルムがそんな商品を出してくれたら必ず買うのだけど、現状、どの日本のメーカーも出していない現状を考えると需要がないのか技術的、あるいはコスト的なハードルがあるんだろうなと思う(以前、エプソンが発売していたが、随分、昔の話である)。しかし、とにかく、発売して欲しいと思う。レンジファインダーは、スナップを置きピンで撮影にする人には楽しくて、最高に使いやすいと思うのだけど。。
下の写真は、雨の日に撮った写真です。地面に映った傘と人影が印象的だったので、そちらを主役にするために上下反転してみました。両脇のビルと木々の映り込みも含めて綺麗だなと思っていて、自分では結構好きな写真です。